故障診断機
ここ一月程、バルブタイミング関係の整備や修理に追われて
またまたブログ更新を放置してました(言い訳)
整備をしていて、私と同じメカニックの方々なら分かると思いますが
毎回緊張する瞬間があります。
それはエンジンを組み終えて、始動する瞬間です。
今回、タイミングベルトやタイミングチェーンを外しての作業が何台か続きましたので
そんな、緊張する瞬間を皆様にも味わっていただこうと思います。
トップバッターはイタリアの名車アルファロメオ
V6エンジンは、見てくれはもちろんカッコいいですが
このエンジンは素晴らしい性能の持ち主です
整備性は素晴らしく悪いです
が、頑張って慎重に作業を進めます。
ウォーターポンプ等ももちろん交換して・・・
新部品は羽が樹脂製から金属製に変わってますね。
こんなところもお客様に伝えると安心していただけますね。
で、ようやく作業完了
いよいよ始動です。
始動の前には何度も、何度も、何度も忘れ物が無いか確認します
『BUOOOOOOOOON』
元気なエンジン音が響き渡りました。
で、お次は白煙修理のMRワゴン
ヘッドカバーを開けると、あまり状態の良くない感じです。
この汚れは綺麗にしてあげます
で、肝心の白煙の出る原因の
『バルブステムシール』などという部品を交換してあげましょう。
こちらはタイミングチェーンを外しての作業です。
部品(バルブステムシール)自体の交換よりも
そこにたどり着くまでに、他の部品を外す作業が大変なんです・・・
こいつが白煙の犯人です
で、例によって慎重に、慎重に、慎重に組み上げていきます。
汚れも落としてからね
このタイミングチェーンが1コマずれるだけで
エンジンの調子が不調になります。
で、いよいよ始動です。
『BUOOOOOOOOON』
元気なエンジン音が響き渡りました。
そんでもって、お次は時々始動不能、エンジン警告灯点灯のオデッセイです。
始動不能の原因ははスターターモーターです。
交換するのですが、どうやっても手の届かない場所についています。
インテークマニホールドなる部品を外してようやく取り外せます。
例によって、ボッシュのリビルトプログラムです。
3年と6万キロの保証付です
で、まずはスターターモーターの交換は完了です。
警告灯の付いた原因は
『カムシャフトセンサーの位相ずれ』
なる診断結果
以前にも日産車で何台かあって、オイル管理が悪いと
タイミングチェーンが伸びたりして、バルブタイミングのずれが発生するというもの
念のため親しい本田さんのディーラーに聞いてみたんだけど
『その故障はあんまり無いよなあ・・・』なんて返事で
私が怪しいと感じた部品に対しては
『その部品はあんまり交換しないなあ・・・』って感じで
見当はずれの作業の指示だったので、結局治らず
やはり、『信じられるのは自分だけ』
やっぱりこの部品『タイミングチェーンテンショナー』
こいつがタイミングチェーンの張りを調整しています。
初めての作業なので、整備解説書どおりに進めたのですが
外した時にチェーンがズレてしまったんですね
せっかくスターターモーターを交換したのに
エンジンが絶不調なんです・・・
やはり整備解説書も頼りにならないので、なんとか自己流で組みなおし
例によって慎重に、慎重に、慎重に各部を見直し・・・
『BUOOOOOOOOON』
元気なエンジン音が響き渡りました。
故障コードも無くなり、例によって絶好調となりました
皆様、これまでの一連の作業で
緊張を一緒に味わっていただけましたでしょうか
おそらく、あまり緊張感は感じなかったと思います。
と言うのも、この緊張の瞬間は
その整備に携わったメカニックの特権なんです
初めての作業だったり、失敗してしまったりを繰り返し
苦労して組み上げたエンジンが始動したときには
本当に涙が出るほど嬉しい時がありますよ。
今回紹介したバルブ関連の作業は、
一つ間違えばエンジンを壊してしまう事もある、失敗の許されない作業なんです。
とても責任の思い作業を、これからも慎重に進めて行きたいと思います。
それと同時に、このレシプロエンジンを開発してきた
先人達に敬意を払わずにはいられませんね。
バルブとピストンの構造を考え出してきた技術者達に感謝
2014 年 5 月 19 日 7:38 PM|
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突然ですが表題の通り、当店にて整備の技術を
当店主と共に磨いていける方を募集しています。
誠実な方なら経験問いませんのでお気軽にご連絡くださいね。
という訳で
ブログ日々更新ならず・・・
溜まってしまった整備事例を時系列でお伝えします。
まずはバブル時代のの名車BMW5シリーズ
運転席の取り付けボルトが外れてしまい
シートがぐらぐら
フレーム側のナットが経年劣化で外れてしまっています。
本来なら溶接にて再度取り付けるべきなのでしょうが
それにはカーペットを剥がし
火花が飛ばない様にしっかりと養生をしないといけないので
とても大変な手間がかかりそう・・・
で、苦肉の策を思いつきました。
この隙間に入るナットを作ってみました。
こんな感じで
ちゃんと強度を持たせるために
焼き入れ、焼きなましもしましたよ。
結果、バッチリ取り付ける事が出来ました。
これからも大事に乗ってください。
こちらは車検でご入庫のRX-8
以前から点灯している警告灯をこの機会に消しましょう!
例によってO2センサー(ラムダセンサー)の故障です。
こいつはマフラーに取り付けてあるのですが
付属部のボルト、ナットが錆びていることがほとんど
舐めてかかったので、ナットが舐めました(親父ギャグ)
気を取り直して
真剣に外してあげましょう。
で、肝心のセンサーを交換して
故障履歴を消去して完了です。
こんな修理がもう一台
こちらも車検でご入庫エスティマです。
こちらは2個使っているセンサーが
2個とも故障
一応間違いがないか、一度故障をリセットして
試運転後に診断した結果です。
さあ!2個交換と行きましょう
例によってボルトはサビサビ
ですが、頑張って取り外しましょう。
2本やっつけました
で、お次は鈑金塗装でご入庫のノア
ご依頼事項では無かったのですが
右側のスライドドアが開きません
同じ症状の車を何台も開けてきましたが
今回は簡単には開きません
よ~く見てみると・・・
一番後ろのガラスのゴムが食い込んじゃってるよ
このゴムが硬くて、少し押したくらいじゃ元に戻ってくれません。
そんな時に登場するのが
『ホットガン』
ドライヤーじゃないぞ
おかげで元に戻り
バッチリ開きました
なんでも、某ディーラーにてガラス交換で7万円かかると言われ
あきらめていたそうです。
今回私が勝手にやった作業なので
修理代金はサービスさせていただきました
YAMA’Sの仕事の流儀です
で、お次はちょっとエンジン不調でご入庫のゴルフ←(親父ギャグ)
おあずかりしてすぐに不調が発生したので早速故障診断!
なんだかいっぱい出てきたよ
この履歴を消去するとエンジンは良好となります。
が、しばらくするとまた不調に・・・
最終的に残った履歴は
『インテークパイプのエア漏れ』
これがなかなか手ごわくて、やっと見つけたのがこの亀裂
こいつをやっつけて
さあ試運転!
まず1時間ほどアイドリング状態で良好なので
今回の原因はこいつに間違いないなと思ったら
またエンジン不調に
試運転は大事だね、これで納車してたら大変な事になってたよ
またふりだしに戻って原因探求です。
なにやら怪しそうな部品を発見
こいつにつながっているホースを外して
ゴムキャップで塞いでやると・・・・なんだかエンジンが好調に・・・
ようやく見つけた犯人を交換して、
本当に良好となりました
今回の犯人は複数犯だったんですね。
よく見ると形状が多少変わっています。
メーカーサイドも不具合が起きる事を把握して改善しているのでしょう。
こいつを手配していただいた部品商いわく
『よく出ますよ』
だって
よく出ますよリストを送ってください
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆おまけ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
昨年はよく積載車で竹を運びましたが
(過去ログ参照→ http://www.yamaguchi-automobile.com/yamas_blog/?m=20130820)
今回は軽トラで竹を運び・・・
竹馬を作りました
そういや今年は午年だね
新年も一月経つと干支も忘れそうです。
我が社会館保育園は竹馬に乗れないと卒園出来ないのだ
練習したい人はお気軽に来て下さい。
大人用も作ったよ
2014 年 1 月 31 日 10:10 PM|
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ここ木更津は寒冷地ではないのですが
朝出勤してみてビックリ
11月も初旬だというのに氷が張っていました
寒いと車の修理も二の足踏んじゃって
重い腰が上がらないのですが
そんな事言ってられず、日々修理に追われております
こちらはミッション(AT)が不調の軽トラ
ATFとフィルター交換実施
バルブボディも外して各部チェックしましょう
こんな複雑な仕組み
考えた人は天才だね
ATF交換の際、忘れてはいけないのがオイルクーラーの洗浄です。
オイルラインのホースを外して、洗浄剤を噴射するのですが
このホースが硬くてなかなか抜けません
そんな時は超強力なドライヤーで暖めると嘘のように外れます
で、洗浄剤を噴射
ATF交換後、あきらかに調子が良くなったのがわかりました。
今回は現在までのオイル交換状況が不明でしたので、
あえてオイルパンを外して、更にはバルブボディのチェックまで
実施させていただきました。
同じくこちらもATF交換でご入庫
フランス生まれのルノーカングーです。
この車のオイル交換方法は、国産車とはだいぶ違います
暖気運転して、ATFの温度を60度にして・・・
はい、温度計は付いていません
ですので専用テスターを接続しないと温度はわかりません(写真撮り忘れ)
まあオイル抜くのはどの車もほぼ一緒ですな。
で、適量注入して、例によって絶好調です
こちらはプラグが飛び出してしまったハイゼット
プラグが飛び出すなんてあまり聞きませんね
フェラーリなんかでは時々あるらしいですが・・・
ともかく、そういう現実と向き合い現状を回復しなければなりません
ねじ山を壊してしまっているので、ねじ山の修理です
世の中には良い道具がたくさんありますな。
こんなアイテムを使って修理です。
壊れたねじ山をワンサイズを大きなねじ山であけ直し
そこにこんなスプリング状の物をはめ込んでねじ山修理完了です。
この通り
先端にはめ込みようの突起がありますが、これは折ってしまいます!
当然、燃焼室から取り出しますけど・・・
磁石で
で、修理後は例によって絶好調です
他の2本も点検しときました、とりあえず大丈夫でしょう
こちらはもうすぐ20万キロ走破してしまうミニカです。
オイル交換の納車間際に、
『そう言えばなんだかブレーキが効きっぱなし?左側のホイールが熱くなっているみたい・・・』
との事で即点検!
良かったです、納車してなくて
はい、ブレーキが効きっぱなしです
代車があいていて良かったです、即入院となり
ブレーキを分解
ご覧のように錆が発生して
ピストンの動きが悪くなっています
車検時にブレーキフルードは必ず交換しているのですが・・・
牧場を仕事場としているお客様なので
泥水等がかかったのが原因ではないかと思います
こいつを綺麗に磨いてやり、ゴムのシールを交換してやります。
結構大変だよ
右側はとても綺麗でしたが
同様にオーバーホールです
20万キロ近くなので、
ついでにタイミングベルトも交換です
これだけ距離を走るとリフレッシュしたい箇所が多々出てきます。
点検の結果このタイロッドエンドなる部品もガタがでてたので交換です、
これからも30万キロ目指して頑張ってもらいましょう
2013 年 11 月 17 日 5:27 PM|
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