☆レシプロエンジンとは?☆
ここ一月程、バルブタイミング関係の整備や修理に追われて
またまたブログ更新を放置してました(言い訳)
整備をしていて、私と同じメカニックの方々なら分かると思いますが
毎回緊張する瞬間があります。
それはエンジンを組み終えて、始動する瞬間です。
今回、タイミングベルトやタイミングチェーンを外しての作業が何台か続きましたので
そんな、緊張する瞬間を皆様にも味わっていただこうと思います。
トップバッターはイタリアの名車アルファロメオ
V6エンジンは、見てくれはもちろんカッコいいですが
このエンジンは素晴らしい性能の持ち主です
整備性は素晴らしく悪いです
が、頑張って慎重に作業を進めます。
ウォーターポンプ等ももちろん交換して・・・
新部品は羽が樹脂製から金属製に変わってますね。
こんなところもお客様に伝えると安心していただけますね。
で、ようやく作業完了
いよいよ始動です。
始動の前には何度も、何度も、何度も忘れ物が無いか確認します
『BUOOOOOOOOON』
元気なエンジン音が響き渡りました。
で、お次は白煙修理のMRワゴン
ヘッドカバーを開けると、あまり状態の良くない感じです。
この汚れは綺麗にしてあげます
で、肝心の白煙の出る原因の
『バルブステムシール』などという部品を交換してあげましょう。
こちらはタイミングチェーンを外しての作業です。
部品(バルブステムシール)自体の交換よりも
そこにたどり着くまでに、他の部品を外す作業が大変なんです・・・
こいつが白煙の犯人です
で、例によって慎重に、慎重に、慎重に組み上げていきます。
汚れも落としてからね
このタイミングチェーンが1コマずれるだけで
エンジンの調子が不調になります。
で、いよいよ始動です。
『BUOOOOOOOOON』
元気なエンジン音が響き渡りました。
そんでもって、お次は時々始動不能、エンジン警告灯点灯のオデッセイです。
始動不能の原因ははスターターモーターです。
交換するのですが、どうやっても手の届かない場所についています。
インテークマニホールドなる部品を外してようやく取り外せます。
例によって、ボッシュのリビルトプログラムです。
3年と6万キロの保証付です
で、まずはスターターモーターの交換は完了です。
警告灯の付いた原因は
『カムシャフトセンサーの位相ずれ』
なる診断結果
以前にも日産車で何台かあって、オイル管理が悪いと
タイミングチェーンが伸びたりして、バルブタイミングのずれが発生するというもの
念のため親しい本田さんのディーラーに聞いてみたんだけど
『その故障はあんまり無いよなあ・・・』なんて返事で
私が怪しいと感じた部品に対しては
『その部品はあんまり交換しないなあ・・・』って感じで
見当はずれの作業の指示だったので、結局治らず
やはり、『信じられるのは自分だけ』
やっぱりこの部品『タイミングチェーンテンショナー』
こいつがタイミングチェーンの張りを調整しています。
初めての作業なので、整備解説書どおりに進めたのですが
外した時にチェーンがズレてしまったんですね
せっかくスターターモーターを交換したのに
エンジンが絶不調なんです・・・
やはり整備解説書も頼りにならないので、なんとか自己流で組みなおし
例によって慎重に、慎重に、慎重に各部を見直し・・・
『BUOOOOOOOOON』
元気なエンジン音が響き渡りました。
故障コードも無くなり、例によって絶好調となりました
皆様、これまでの一連の作業で
緊張を一緒に味わっていただけましたでしょうか
おそらく、あまり緊張感は感じなかったと思います。
と言うのも、この緊張の瞬間は
その整備に携わったメカニックの特権なんです
初めての作業だったり、失敗してしまったりを繰り返し
苦労して組み上げたエンジンが始動したときには
本当に涙が出るほど嬉しい時がありますよ。
今回紹介したバルブ関連の作業は、
一つ間違えばエンジンを壊してしまう事もある、失敗の許されない作業なんです。
とても責任の思い作業を、これからも慎重に進めて行きたいと思います。
それと同時に、このレシプロエンジンを開発してきた
先人達に敬意を払わずにはいられませんね。
バルブとピストンの構造を考え出してきた技術者達に感謝
2014 年 5 月 19 日 7:38 PM| カテゴリー:今日の出来事,故障修理,故障診断機,整備| コメント&TB (0)